【レビュー】『Tokyo Rendez-Vous』- King Gnu【感想】

『Tokyo Rendez-Vous』-King Gnuのレビュー及び感想

今回聴いていくのは人気バンドKing Gnuのデビュー作である『Tokyo Rendez-Vous』ですね。

　シングル曲も結構出したしアルバム出してくれよ～って思っていたんですが、よく考えてみると私King Gnuのアルバム全部聴いていないなということに気づいたので、今更聴いてみる次第です。

　スターとなったバンドの初期がどんな感じなのか、聴いてみるのが楽しみですね。

　それでは聴いていきましょう♪

※赤太字は一番好きな曲、赤字は好きな曲です。

①Tokyo Rendez-Vous
　タイトル曲。ブンブンなベースがいいですね。所々ブラスっぽい音も都会感を演出していていいです。だけど、この頃の常田さんのボーカルはちょっとイマイチですね……今はさらに上手くなったんだなと思います。拡声器を使っているからそう聴こえるだけかもしれませんが。

②McDonald Romance
　今回初めて聴いた曲。ジャジーなピアノが耳に残る大人な雰囲気の楽曲ですね。シンセ音も入ってさらにオシャレです。いい曲ですね～、知れてよかったです。

③あなたは蜃気楼
　シンセのリフが印象に残る楽曲。ギターもロック的でクールです。今と比べると、大分シンプルな感じですね。

④Vinyl
　結構人気な曲のVinyl。確かにこのアルバムの中だとクオリティが一段抜きんでてる感じですね。跳ねるようなリズムがクールです。展開も単調じゃなくて意外性があります。井口さんのそこまで高くない中音域の力強いボーカルがいいですね。

⑤破裂
　これも井口さんが主旋律な曲。一番アルバムの中だとJ Popから離れた曲をやろうとしている感じが伝わってくる楽曲。急に盛り上がってすぐに静まる展開には驚かされましたね。

⑥ロウラブ
　繰り返されるギターのリフがかっこいいですね。ドラムも手数が多いですし、音色的にもマスロックを思い出しますね。これも井口さんの中音域のボーカルがいいです。

⑦Night Pool
　浮かび上がっていくようなシンセ音がいいですね。泡に近い感じの曲ですかね。実験的ではあって面白いんですけど、あんまり私には刺さらない感じ。だけど、短いのでいい感じに纏まってます。

⑧サマーレイン・ダイバー
　ストリングスもあり、最後らしい壮大な曲なんですが、シューゲイザーっぽい感じがいいですね。女性のDance～のリフレインが心地いいですね。

　様々なジャンルを内包し、実験的な曲もありながらポップな曲が揃ったアルバムだと思いました。かなりバラエティ豊かに仕上がっていて驚きましたね。

　二曲目のMcDonald Romanceはジャズ的なピアノが聴けますし、八曲目のサマーレイン・ダイバーはシューゲイザーっぽいギターが聴けます。

　ただのJ Popではなく、他のジャンルの要素を取り入れていて、かつ上手く曲に溶け込ませているのは凄いなと思いました。

　また、五曲目や破裂や七曲目のNight PoolなんかはＪPopの枠組みを飛び越えて実験的なことをやっているのが伝わってきます。

　この二曲は聴いていてあまりいいとは思わなかったんですが、挑戦的なのはいいと思いますし、面白かったです。

　それでいて四曲目のVinylのようなキラーチューンも収録されていたりして、しっかりとポップな所も押さえています。８曲収録とコンパクトに纏まっているのもかなりいいと思いましたね。

　ただ、私として気になるのは常田さんがボーカルを取っているパートがかなり多いという所ですね。常田さん主体の曲が多く、井口さんの高音がそこまで目立っていない感じ。

　正直、私は井口さんの方がいいなと思っているのでこれは聴いていてちょっと残念。

　また、井口さんのボーカルについては高音よりも中音域の方が素晴らしいと思っているタイプなんですが、このアルバムだと結構中音域を歌っていることが多いんですよね。だから、もっと井口さんのパートを増やしてくれればとより思っちゃいましたね。

　ですが、今の音楽にこうした二人の高音と低音の混成ボーカル曲ってほぼないですからね。これからも二人でのボーカルが聴けたらなと思います。

　是非、聴いてみてください。