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【丸サ進行を考察】メジャーとマイナーが混ざった感じってどういうことなん?

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丸サ進行というJ Popを席巻した進行

 いつ頃からなのかは定かではないのですが、Just The Two Of Us進行――またの名を「丸サ進行」というコード進行がJ popの楽曲に採用されるようになりました。

椎名林檎さんの楽曲「丸の内サディスティック」のコード進行が「Just the two of us」で使用されているコード進行と同じらしい。

 今のJ Popで最も人気、もしくは有名とも呼べる進行となっているため、検索すると多くの解説記事が出てきます。

 私も時々、自分で作曲するため、その際に丸の内進行についても調べたのですが、その際によく見かけた言葉があります。

『丸の内進行はメジャーとマイナーが混ざったような進行』

 他には「メジャーとマイナーがひっくり返った」とか、「明るさと暗さが同居していて浮遊感が」ある等の意味の言葉で表されていましたが、個人的にこのメジャーとマイナーが混ざった感じという説明がどうにもよくわかりませんでした。

 なので、今回は自分なりに、己に備わった拙い音楽知識を使って、この丸サ進行について考察していきたいと思います。

 間違っている部分はあると思いますが、よろしくお願いします。

 

とりあえず、Cメジャーキーで変な所から見ていく

※専門用語の解説とかはあまりできないので、そこはご容赦ください。

 

 まず、丸サ進行をCメジャーキー(ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シの白鍵だけで構成されるスケール)の曲で使用した場合で見ていきたいと思います(メジャーコードはM、マイナーコードはmで表現します)。

 FM7(Ⅳ)→E7(Ⅲ)→Am7(Ⅵm)→G7(Ⅴ)

 Ⅴの後にⅠのトニックが来ることもありますが、今回は上記の進行で考察していきたいと思います。

 そして、Cメジャーキーのセブンスダイアトニックコードは以下の通りです。

 CM7(ⅠM7),Dm7(Ⅱm7),Em7(Ⅲm7),FM7(ⅣM7),G7(Ⅴ7),Am7(Ⅵm7),Bdim7(Ⅶdim7)

 ……はい、この時点で変な部分がありますよね。

 赤色で強調したディグリーネームで言うEm7(Ⅲm7)の部分が、丸サ進行では何故かE7(Ⅲ7)になっています。

 Ⅲm→Ⅵmになるべき所が、Ⅲ→Ⅵmになっているんです。

 E7の構成音はミ、ソ#、シ、レなので、スケール外のソ#が入ってるんだけど大丈夫なん?

 どうしてE7が採用されているのか……それを考えていくと、メジャーとマイナーが混ざった感じと形容されるのかがわか(ったような気にな)ります。

 

平行調であるAマイナースケールから丸サ進行を見ていく

 Aナチュラルマイナースケール(ラ、シ、ド、レ、ミ、ファ、ソの白鍵だけで構成されるスケール)はCメジャーキーと平行調で、主たる音は「ド」と「ラ」で違いますが、スケールを構成する音は全くの同じです(だから平行調と呼ばれるんですね)。

 なので、Aナチュラルマイナーのダイアトニックコードを見ていくと、

 Am7(Ⅰm7),Bdim7(Ⅱdim7),CM7(ⅢM7),Dm7(Ⅳm7),Em7(Ⅴm7),FM7(ⅥM7),G7(Ⅶ7)

 となり、ディグリーネームは変わりますが、コードはCメジャースケールと全く同じになります。

 さて、コードについて勉強したことのある方ならご存じだとは思いますが、コードにはそれぞれ特性があります。

 例えば、CメジャーのⅠであるCMコードはトニックコードと呼ばれ、スケールの中で一番安定したコードです。

 逆に、ⅤにあたるGMコードはドミナントコードと呼ばれ、スケールの中で一番不安定なコードになります。

 どうして安定するのか、不安定になるのかについては割愛するのですが、とりあえず、ドミナントコードは不安定なので、安定したコードであるトニックコードへと行きたくなるという部分が大切です。

 上記の理由によって、V→Ⅰの流れがよく用いられるのですが、マイナースケールだと少し事情が変わってきます。

 AナチュラルマイナスケールだとⅤがマイナーのⅤmになり、あまり不安定じゃなくなって、あまりⅠに行きたがらなくなってしまうんですね。

 じゃあ、Ⅴ→Ⅰの流れができないじゃないか……となったので、これを作り出すために産まれたのがハーモニックマイナースケールと、その発展形であるメロディックマイナースケールになるわけですね。

 このマイナースケールではEm(Ⅴm)ではなくEM(Ⅴ)を用いることができるため、Ⅴ→Ⅰの流れ、即ち、E7→Am7の流れができるんですね~

 ……と、ここまでこれば気づくんじゃないんでしょうか。

 このマイナスケールのⅤ7→Ⅰm7の流れ、さっきのⅢ7→Ⅵm7の流れと同じじゃね?

 つまり、CメジャースケールでEm7ではなくE7が使われたのは、一時的にAマイナスケールに転調したと考えることができちゃうってわけですね~

 これがよく言われる「メジャーとマイナーが混ざったような進行」と呼ばれる所以なんだと思います。

 

考察終わり

 いかがだったでしょうか。

 念のためですが、私は音楽のプロでは全くないので、普通に間違っている部分はあると思います。

 皆さんもいろいろと考察してみると面白いんじゃないでしょうか~

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おまけ:どうしてⅤ7は不安定な音なのか?

 まず、Ⅴ7であるG7の構成音を見ていきましょう。

 ソ、、レ、ファ

 上記が構成音になるわけですが、次に赤で強調された音であるシとファの二音を同時にならしてみましょう。

 ……どうでしょう? とても不安定な音ではなかったでしょうか。

 この二音は増四度という関係にあるのですが、これが滅茶苦茶強烈な音になるんですよね。

 Ⅴ7はこの増四度の関係にある二音を含んでいるから不安定だと言えるわけです。

 逆にVm7は構成音がソ、ラ#、レ、ファであり、シが一音下がってラ#になったことにより、増四度の関係が崩れ、不安定じゃなくなってしまうんですよね。

 ……うん、そのはず。