【レビュー】Kanye West-『Donda』【アルバム感想】

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Kanye West-『Donda』の感想及びレビュー

『Donda』って聴いたことない単語だなと思って調べて見たんですが、Kanyeさんの亡くなった母親の名前らしいですね。

　母の名前をアルバム名に冠したり、亡くなった際に『808&Heartbreak』という内省的な作品を作ったりと、KanyeさんがDondaさんに対してなにかしらの強い思いを持っていることを伺わせますね。

　収録時間も前作、前々作と30分にも満たなかったのに、このアルバムはなんと1時間48分と超大作な辺り、その推察は間違っていないように思います。

　また、聴いていて「ラップになんか不自然な間がない？」と思ったんですが、F××kといった汚いとされる言葉は修正されて無音になっているようですね(もしかしたら前作とかもそうだったかも？)。

　ヒップホップと汚い言葉はセットな印象なので、逆に新しいような気がします。

　まあ、確かにそういった言葉と宗教は相いれないイメージがあるので、キリスト教の要素があるなら消すのも妥当かなと思ったり。

　しかし、だからといって今作に前作にあったゴスペル要素が前面に出ているかと言われると、そうじゃなかったりします。

　二曲目の「Jail」では直近のアルバムらしい、ビート感のあまりない感じのトラックで、Kanyeさんも殆ど歌っていますね。多分、鳴っているのはギターの音だと思うんですが、素直にかっこいいです。JayZとDaBabyのラップもかっこいいんですが、ドラムがないせいか何処か違和感が……笑。やっぱりヒップホップとリズムは密接な関係にあるんだなと再認識しますね。

　この曲はまだゴスペル要素というか、前作辺りを踏襲しているのが感じられるんですが、

　四曲目の「Off The Grid」はゴリゴリのトラップ曲なんですが、途中からドリルに変わったりして、ダークな感じがクールな楽曲。Kanyeさんのラップもキレキレで滅茶苦茶かっこいいです。ここまでラップするKanyeさんはアルバム単位で見ると久しぶりな気がしますね。

　振り返ってみると、ここまでTrap的なトラックの曲はKanyeさんのキャリアの中ではなかったような気がしますね。

　五曲目の「Hurricane」もゴリゴリのトラップ曲で、The Weekndのボーカルがいいですね。素直にかっこいいと思える曲がいっぱいで聴いていて楽しいです。しかし、残り曲数を見てしまうと……やっぱり長いな笑

　10曲目の「Believe What I Say」はファンクっぽい蠢くベースラインがかっこいい曲。女性コーラスも曲をいい感じに修飾してますね。Trapだけではなく、こういった曲もあるのがいいですね。

　滅茶苦茶飛んでしまいましたが、22曲目の「Come to Life」は本当に天国に召されてしまいそうなほどの神秘的な雰囲気のある曲。後半に入ってくるピアノが泣けてしまいますね。バックで聴こえてくる声もいいですね。全てが浄化されていきそうな美しい曲です。Kanyeのラップが普通によくて、ビートがないんですけどのれてしまいます。

　23曲目の「No Child Left Behind」も同じく神秘的な曲で、オルガンの音が綺麗です。壮大なアルバムもやはり穏やかに終わっていくんだな……となるのが普通だと思うんですが、どうしてかこのアルバムはまだ続きがあります笑