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【不思議なコード進行4】Frank Ocean『Thinkin Bout You』

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オリジナル曲・音楽理論等
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 今回見ていく曲はこの曲です↓

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 Frank Oceanの名曲『Thinkin Bout You』ですね(彼の新アルバムはいつでるのだろうか)。

 ドラムとぽわぽわしたシンセ、ストリングスによるシンプルな楽曲で、最初聴いたときはR&Bだと思ってなかったんですけど、R&Bに分類されているようですね。

 浮遊感と、悲しげなFrank Oceanのボーカルが印象的な楽曲です。

 とりあえず、コード進行を見ていきましょう。

 FM7(ⅣM7)→Em7(ⅢM7)→E♭M7(Ⅲ♭M7)→Dm7(Ⅱm7)

 この楽曲は上記のコード進行を繰り返しているわけではなく、微妙に中身のコードを変えながら進んでいくんですが、その中で特徴的な四小節を抜き出してきました。

 因みにこれは『Thinkin Bout You~』と繰り返す前のパートですね。

 キーはCメジャーなのですが、そのダイアトニックコードにないコードが赤太字になっているE♭M7ですね。

 これはⅢ♭とあるように、Cマイナスケール――すなわち同主調からの借用和音ですね。

 Ⅳ→Ⅳmはよく見かけるのですが、二音もスケールから外れるⅢm→Ⅲ♭は珍しいような気がします(私が知らないだけかもしれませんが)。

 この部分がこの曲に浮遊感を与えているんじゃないかと思います。

 また、曲を通してのコード進行を見ればわかるんですが、主音をルートとしたCコードや、ドミナントであるGコードといった、解決感を生むコードが採用されていません。

 サブドミナントによる安定と不安定の中間といった進行がさらにこの曲の浮遊感に拍車をかけているのかもしれません。

 トニックやドミナントを使用しない曲作りも面白いのかもしれませんね。

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