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【レビュー】『映帶する煙』- 君島大空 音が溶け合った幻想的なアルバム【感想】

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アルバム感想
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『映帶する煙』- 君島大空のレビュー及び感想

 今回聴いていくのは君島大空さんの『映帶する煙』です。えいたいすると読むらしく、意味は色や景色が映りあうことらしいです。難しいですね。

中村佳穂や崎山蒼志、諭吉佳作/menらと共にニューカマーとして一躍注目を集めているのが君島大空という音楽家です。男性、女性の区別をすらも孕まない中性的なボーカルと心の深淵にまで滲むようなサウンドで多くの人を君島大空の世界観へと引き込んでいます。音楽家としてソロ曲を発表する傍ら、高井息吹と眠る星座のギタリストやアーティストへの楽曲提供など、多方面で活躍しています。その類まれな音楽センスはSNSやラジオを通しても広まり、今や彼の音楽に魅了されている音楽フリークも多数。

https://meetia.net/music/ohzora-kimishima_matome_hd/

 上の記事を読んだり、画像を見たりしたんですけど、多分男性の方なんでしょうかね。
 名前がどっちにもとれるし、声を聴いてから見たので女性だと思っていました。
 ネットの記事を探すとあまり性別の記述がなくて、中性的な声とよく評されているので、結構ミステリアスな感じを受けます。

 ……とりあえず聴いていきましょう。

 

全曲感想

赤太字は一番好きな曲、赤字は好きな曲です。

①映帶する煙
 開幕から色々な音が詰まっていて引き込まれます。

②扉の夏
 アコギとピアノに乗る美しい歌声が素晴らしいです。そんな美しい音の中に入り込む不穏な音がいいですね。何処かに一人取り残されたような寂しさがいいですね。

③装置
 indietronica的な楽曲。空間がねじ曲がったような音がいいですね。どんどん耳に飛び込んでくる音が予想外で、次はどんな音が聴こえてくるのかが楽しみになってきますね。中盤のアンビエント的なパートで酔いそうになります。カオスながらに美しい曲ですね。

④世界はここで回るよ
 柔らかいピアノの音を主体としているんですが、所々で挟まれてくる電子的な音が、聴き手を置いていってしまう感じが悲しい。ブラスなども入ってきていいですね。

19℃
 リバーブのかかったギターがいいですね。この曲はかなりすっきりとしていて、シンプルながらに美しい音が鳴っていて好きです。穏やかな雰囲気がいい。

⑥都合
 歌い方に感情が乗っていますね。怒っている感じが伝わってきます。楽曲自体は結構シンプル。

⑦ぬい
 これも穏やかな感じなのがいいですね。リズムが結構面白いです。

⑧回転扉の内側は春?
 またカオスな感じに戻ってきましたね。ボーカルに沿うようにしておかれた音が面白い。

⑨エルド
 二分程度の短い楽曲なんですが、夕焼けに似合いそうな切ない曲調がいいですね。

⑩光暈
 これも素朴なギターサウンドがいいですね。ボーカルも悲しげでいいです。

⑪遺構
 何処か陰りのあるスローテンポな楽曲。だけど、色々と不穏な音が混ざっていて、穏やかな感じとは言えない。

⑫No Heavenly
 ヘヴィなギターが目立っている楽曲。ノイジーな部分もあり、結構ロックです。

 

総評

 アルバムタイトル通り、様々な要素が溶け合った素晴らしいアルバムだと思いましたね。

 最初の方の曲はどんどんと電子音等の予想外の音が流れてきて、Glitch Pop的なものを感じたんですが、それ以降は結構シンプルで美しいギターロックが展開されていきます。 

 私はこのアルバムを聴いたとき、この電子音等のノイズがなければなと思ったんですよね。
 電子音等が挟まることによって棘のあるサウンドになっているんですが、個人的にこれが最初違和感まみれで好きじゃなかったんですよ。これを抜いて静謐な感じで進んでくれればいいのにと。

 ですが、聴き直したらこれが逆によくてですね、多分体調が悪い時に聴いたのが駄目だったんだと思います。
 体が弱っていると気持ち悪くなっちゃう。聴き直すと夢と現実の境目が不鮮明なぼやけたサウンドが逆に心地よく感じられました。

 そして、そこに溶ける囁くようなボーカルがいいです。聴いていてうっとりとしてしまいました。

 幻想的ともいえる美しいサウンドがたまらないアルバムでした。

 是非、聴いてみてください。