2023年時点でのArcade Fireのオリジナルアルバムを全て聴いたので、今回は個人的なArcade Fireのアルバムランキングを作成してみました。
「このアルバムがおすすめ!」といった感じではなく、ただ私がどこが好きでどこがあまり好きじゃないかをだらだらランキング形式でだらだら書いていく自己満記事です。ですが、紹介していく中で気になるアルバムがあって「聴きたい!」となってくれたのなら幸いです。
総勢6枚なので、まずは6位からです。
6位:Everything Now(2017年)
第6位は5枚目のアルバムである「Everything Now」です。決して悪いアルバムではないのですが、結構多くの方がこのアルバムをここに置くんじゃないかと思います。
本作は発表前から架空の企業や架空のサイトを立ち上げ、現代に蔓延るデマやフェイクニュース等といったものへの風刺みたいなものをコンセプトにしたアルバムのようです。かなり壮大なことをしていたみたいですね。
そんなコンセプトが楽曲にも反映されているのか、現代的なシンセ音や電子音といったサウンドが多く用いられ、ダンスミュージックやシンセポップ的な楽曲が多く収録されているように思います。これは既に前作でも見られたものなんですが、前作に多少は残っていたロック要素は全然見当たりません。
そのせいか、彼らの特徴であった大人数を活かした多彩でクラシカルなロックという良さが失われてしまったように思います。楽曲もあまり作りこまれていないというか、印象に残るようなメロディやサウンドが個人的にはなかったです。
批評的にもイマイチだった本作ですが、ダンスミュージックが好きな人はハマるかもしれません。
そんな感じの理由で6位に置きました。
一番好きな楽曲:Everything Now
5位:Reflektor(2013年)
第5位になったのは4枚目のアルバムである「Reflektor」です。
本作は2枚組で収録時間1時間15分という大作であり、新たに電子音やシンセ音等を用いてダンスミュージックへ近づいていったように感じます。マンネリを防ごうとした結果なのでしょうか。ただ、本作の場合、一応ロック的な要素は残っているように思います。
楽曲も長いものが多いんですが、どんどん後半になるにつれて盛り上がっていくような感じなため、聴いていてそこまで長さは感じません。1曲目のReflektorの楽器が重なったり増えたりしてどんどん熱を帯びていく感じは、ダンサンブルなノリとあわさってかなりいいです。
ただ、ダンスミュージックの作成に慣れていなかったのか、楽曲のクオリティがそこまで高くないように思いました。1曲目のReflektorは大好きなんですが、それ以外の楽曲でピンとくるものが個人的にはなかったのが残念でしたね。大作だったのも聴いていてちょっと辛かったです。
批評的にも賛否両論だった本作ですが、好きな人にはたまらない作品なのかもしれませんね。
そんな感じで5位としました。
一番好きな楽曲:Reflektor
4位:WE(2022年)
4位は2023年時点での最新作でArcade Fireの6枚目のアルバムである「We」です。
本作もエレクトロなサウンドが使われているんですが、ロックに回帰したような楽曲もあります。最もそれが感じられるのが6曲目と7曲目のThe LightningⅠ,Ⅱ。通常なら4小節で一塊なことが多いんですが、この楽曲は5小節等の奇数小節で一塊という変化球な構成でありながら、アップテンポでポップなロックソングに仕上がっています。
直近二作ではあまり感じられなかった大人数バンドらしさも、完全にではないですが戻ってきたように思います。全員で楽曲を作ってる感じがいいです。
ただ、やっぱり楽曲のキレは前の作品の方がいいなと思ってしまうんですよね~。十分にいい作品なんですけど、やっぱり比べてしまいますね。
そんなわけで4位としました。
一番好きな楽曲:The LightningⅠ,Ⅱ
3位:The Suburbs(2010年)
3位は3枚目のアルバムである「The Suburbs」です。
「Arcade FireにとってのOK Computer」なんて言われている本作ですが、どうしてそう呼ばれているんでしょうか? どちらかというと先ほどの「Reflektor」の方が要素的には近いような気がするのですが……単純に三枚目だからという理由ですかね。
また、本作は第53回グラミー賞(2011年)を獲得した作品であり、Indie Rock、いやRockの枠組みにおいても重要な意味を持つ作品でしょう。
カントリー風味な1曲目のThe Suburbsや、アップテンポな古き良きロックソングな2曲目のReady to Start、繰り返されるギターのアルペジオの響きが印象的なSuburban War等、バラエティに富んだ楽曲が収録されており、最後まで聴いても飽きないです。
どの楽曲も一定のクオリティを保っていると思うんですが、その分飛びぬけていい曲が個人的にはなかったのがちょっと残念という感じ。なにか一曲でもガツンとくるような楽曲があれば2位のアルバムを抜けたかもしれません。
そんな感じの理由で本作を3位としました。ただ、3位でも名盤だとは思います。
一番好きな楽曲:Ready to Start
2位:Neon Bible(2007年)
2位は2枚目のアルバムである「Neon Bible」です。
このアルバムはArcade Fireの中だと結構影が薄い印象なんですが、皆様はどのような印象を持っていらっしゃるでしょうか。
本作は前作にあたる「Funeral」の次作にあたる作品なんですが、パイプオルガンやストリングスなどさらに多彩な楽器による抒情的なサウンドが前作よりも目立っているような印象があります。1曲目のBlack Mirrorは彼ららしいピアノの連打とストリングスが印象的な楽曲、4曲目のInterventionはパイプオルガンや鉄琴が用いられた壮大なロックソング、10曲目のNo Cars Goはストリングスやブラスがあしらわれた、「Hey」という掛け声が耳から離れない疾走感のあるアップテンポなロック……どの楽曲も素晴らしいです。
Neonとタイトルにあるのに、少し暗めの楽曲が多いような気がしますが、この雰囲気がたまりません。クラシカルで優雅な楽曲たちは心を安らげてくれます。名盤です。
そんな感じで2位としました。
一番好きな楽曲:Black Mirror
1位:Funeral(2004年)
そして1位は1枚目のアルバムである「Funeral」です。彼らの一番最初のアルバムが1位となりました。
様々なランキングに乗ったり、名盤として語り継がれてきた作品ですね。この作品がIndie Rockの流れを決定づけたと言っている方も何処かで見たことがありますが、それくらい評価の高い作品ですし、多くの人がArcade Fireでランキングを作ったら1位に置くんじゃないかと思います。
1曲目のNeighborhood#1はピアノの連打によるリフが印象的な疾走感のある楽曲、7曲目のWake Upはエネルギッシュで、賛美するような「おーおー」の合唱が耳から離れません。それ以外の楽曲も大人数バンドの利点を活かした様々な楽器を扱ったクラシカルなロックソングで、どれもクオリティが高いです。
葬式という意味のアルバムタイトルとは裏腹に元気に溢れた楽曲たちは、聴いている人に希望を分け与えてくれているような気がします。力強さと、時折見せる美しさが素晴らしいです。
そんな感じで本作を1位としました。
一番好きな楽曲:Wake Up
まとめ
いかがでしたでしょうか? 楽しんで頂けたのであれば幸いです。もし、聴いたことのない人が「聴いてみようかな」と思ってくれたのであれば嬉しいです。
Arcade Fireがこれからどうなっていくのかはわかりませんが、次回作が出るのを私は楽しみにしています。
それでは今回のランキングはこの辺りで。
1位:Funeral
2位:Neon Bible
3位:The Suburbs
4位:WE
5位:Reflektor
6位:Everything Now