『Wish You Were Here』-Pink Floydのレビュー及び感想
Pink Floydといえば「The Dark Side of The Moon」を思い浮かべる人が多いんじゃないかと思います。
いくら名盤と言っても、かなり昔の作品なので、聴いたことがないという人も多くいると思いますが、アルバムジャケット自体は何処かで見たような気がするという人も多いような気がします。
あと、収録曲のMoneyも、聴いてみたら「この曲知ってる気がする」となる人が続出すると予想。
そんな感じで約50年の月日を経ても聴き継がれている「The Dark Side of The Moon」はPink Floydの最高傑作と呼べるような作品なんですが、実はRYMやAOTYといったユーザ参加型の評価サイトだと、次作である『Wish You Were Here』の方が評価が高いんですよね(それどころかオールタイムで3位)。
当時もそれほど絶賛されたわけではないという話も何処かで見たのに、どうしてこれほどまで評価が高いんだろう?
気になって聴いてみたんですが、結構シンプルなロックサウンドが鳴っている感じ。
ジョジョの元ネタであるShine On You Crazy Diamondの(1-5)と(6-9)に3曲を挟んだ構成の時点で「シンプルとは?」という感じであるんですが、意外と聴きやすい。
「The Dark Side of The Moon」にあった実験的な要素やコンセプト性は希薄。Wish You Were Here(あなたがここにいて欲しい)という言葉を真っすぐ伝えるようなロックサウンドが展開されています。
Shine On You Crazy Diamondは聴いていると、いつも寂しい気持ちになります。
特に冒頭のほぼギター1本の演奏はなんというか、大きなホールに私という観客が一人でいる光景が目に浮かびます。その視線の先ではステージ上でギタリストが一人でギターをかき鳴らしているような、そんな感じ。ブルージーで、儚さを含んだまさに名演とも呼べる演奏が聴ける曲だと思いますね。
個人的に一番好きな楽曲は2曲目のWelcome To The Machine。
左右を行き交う低音がサイケで、美しいアコースティックギター(多分12弦かな?)のストロークとか、分厚くて攻撃的なシンセ音のアンサンブルがたまりません。
個人的には『Wish You Were Here』がPink Floydの作品の中では一番好きですね。
この真っすぐで美しいサウンドに惚れてしまいました。
是非、聴いてみてください。