『That! Feels Good!』-Jessie Wareのレビュー及び感想
今回、聴いていったのはJessie Wareの新譜『That! Feels Good!』です。
前作が名盤だったのもあり、かなり期待されていたと思うのですが、その期待に応えるような作品に仕上がっていると聴いて思いましたね。
ディスコの華やかさを詰め込んだようなアルバムだと思います。私自身はディスコに行ったことはないのですが、なんとなく持っていたディスコへのイメージそのままなサウンドが繰り広げられているように思います。
豪華絢爛という言葉が似あうようなダンスポップ曲ですね。あしらわれたブラスやストリングス、ファンキーなギターカッティング、分厚いボーカルのハモリ……素晴らしい楽曲です。
かなり詰め込まれたようなサウンドなんですが、聴いているだけで立ち上がって踊りだしたくなるような明るい楽曲です。どの曲も躍動感があり、パワフルです。
音楽界は何年かごとに同じようなものが繰り返されているというのはよく聞く言葉でして、最近だと80年代、90年代リバイバルと言われるように、昔の音楽を聴いた若者がそれを現代の技術で新しく作り直したような音楽が流行っているような気がします。
SNS等の発達で昔の音楽にアクセスしやすくなった影響も大きいんでしょう。
「私、〇〇が好き」と昔のアーティストを挙げたら、「君、40代くらい?」と聞かれるような、好きな音楽で相手の年齢が測れるような時代は当の昔に終わりを告げたわけですね。
私は生まれが2000年代でして、80年代や90年代の音楽をリアルタイムで聴いていないのですが、どうしてか昔の曲を聴くとノスタルジックな気持ちになってしまうんですよね。
このアルバムはこうしたノスタルジックなディスコサウンドで占められているわけなんですが、やはり、こうした張り上げるようなボーカルも若干古臭さがあります。
ですが、だからこそいいなと思いますね。聴いていて爽快です。
こうしたリバイバルで少しずつ音楽シーンがまた切り替わっていくんですかね。
なんというか、聴いていてDua Lipaが2020年に出した『Future Nostalgia』を思い出しましたね。
あちらもキラキラとしたノスタルジックなダンスポップ曲が詰め込まれていて、どれもシングル化していいほどの強度のあるアルバムと思いました。
この『That! Feels Good!』もそれに近いものを感じます。どの曲もクオリティが高くて、聴きやすいんですよね~。
しかし、まあ、リバイバル系統全般に言えることなんですが、やはり目新しさという面では若干弱いものがあるのは否めません。とは言っても、昔の同系統の音楽と比べて音質等の面で聴きやすいのは勿論、私とかはこうしたディスコサウンドにあまり触れてこなかった類の人間なので、そこまで強くは感じませんでしたけどね。普通に楽しく聴くことができました。
今年のDua Lipaというか、2023年を代表するアルバムだと思いましたね。
是非、聴いてみてください。