『The Money Store』-Death Gripsのレビュー及び感想
今回聴いていったのはDeath Gripsの『The Money Store』です。
デス・グリップス(Death Grips)はアメリカのカリフォルニア州サクラメントで2010年に結成されたエクスペリメンタル・マルチジャンルグループ。ヒップホップに止まらない、暴力的で実験的、キャッチーな音楽性で世界中から人気を集めている。
メンバーはMC RideことStefan Burnett、ドラマーのZach HillとキーボードのAndy Morinの3人で構成されている。2011年にミックステープ『Exmilitary』をネット上でフリー公開し、話題を呼ぶ。収録曲の“Guillotine”はカサビアン(Kasabian)に影響を与えるなど、各地に衝撃を走らせた。翌年の2012年にはファースト・アルバム『The Money Store』をリリース、超辛口音楽批評YouTuberのthe internet’s busiest music nerdことThe Needle Drop・Anthony Fantanoが10点中10点のフルスコア、2012年のベストアルバムに挙げたことや、ピッチフォークよりBEST NEW MUSICを獲得するなど、評判を確かなものとした。
https://qetic.jp/music/death-grips-171012/265214/
結構名前を見るHip Hopグループだったんですが、三人構成だとは知りませんでしたね。しかも、メンバーにドラムがいるというのはかなり珍しいと思います。
それで『The Money Store』は上にもあるようにかなり評価されたHip Hopアルバムのようなんですが、聴いてみて本当にぶっ飛びましたね。
もう、開幕からとんでもない音が耳に飛び込んできます。「げげげががが」とか、壊れた機械のようなフレーズが病みつきになりますし、しっかりとのれる感じなのが凄いですね。
多分、Hardcore Hip Hop,とかExperimental Hip Hopに分類される音楽なんでしょうが、ここまで攻撃的なサウンドは初めてな気がしますね。
最初から最後まで暴力的ともいえるサウンドがぶん殴ってきます。サイレンやF1のエンジンの音とか、色々と詰め込まれていて目が回りそうです。どうやったらこんなトラックが作れるんでしょうか。最近聴いたJPEGMAFIAとは別方向にぶっ飛んでると思います。
アルバムを通して聴いて好きだなと思った曲は先ほどあげたGet Gotと、最後の曲であるHackerでしょうか。
型にはまらない楽曲たちがよかったですね。
ただ、やはりこうした実験性が強かったり、面白いことをやっているからといって、その曲が好きになるかというと、そこは必ずしもイコールにはならないんですよね。やっぱり、どうしてもポップさが失われてしまうので、「面白いんだけど曲として好きかというとな……」というのが起こりがちです。この辺りのジレンマがやっぱりもどかしいですよね。
「ポップなんていらねえ!」って人には満点の作品だとは思いますが、やはり私は聴きやすさとかポップ性も求めちゃいますね。欲張りだな~。
私としては上にあげた二曲はこの実験性とポップさがうまい具合に両立されているように感じられて好きなんですが、それ以外の曲は好きだったり、あまり好きじゃなかったりとまちまちですね。この辺りはやっぱり好みの差なんでしょうな。
ですが、物凄いパワーを持った作品だと思いましたね。
是非、聴いてみてください。