The King Of Limbsのレビュー及び感想
このアルバムでRadioheadがやろうとしたことってなんなのかなと考えると、「リズムの追求」なんじゃないかなと私は思います。
あまり「良いっ!」って一聴してなる曲はないんですが、かなり面白い感じのリズムの曲が多い印象を抱きます。
一曲目の「Bloom」はぼやけたシンセの音が鳴り続けている曲なんですが、ドラムが複雑なパターンをずっと叩いてます(多分、二つ分のドラムの音が鳴ってる)。
ただでさえチルしそうなポワポワしたシンセ音に、掴みどころのないドラムが加わることによって、なんだか変な薬でも飲んだみたいな感覚になります。
めちゃくちゃいいとはなりにくいんですが、聴いていて面白いです。
二曲目の「Morning Mr Magpie」は
ギターがメロディというよりも打楽器のような感じで使われている曲。
よく聴くとドラムのパターンもなんだか変な感じ。
踊れそうな雰囲気があるのに、全然体が動き出せそうになくて不思議笑
というか、一曲目も二曲目も音の合間を縫うようにして差し込んでくるベースラインがセクシーで目立ってる。
トムヨークが独創的なダンスをしている五曲目の「Lotus Flower」が多分、このアルバムの中では一番シンプルでポップな感じの曲なのかな?
しかし、だからといって目立つような曲ではなくて、やっぱりリズムが変わってる曲。
叩かれてるドラムパターンはそこまで変じゃないんですけど、差し込まれるスネアやクラップのせいで踊ろうにもつまずきそうな感じ(トムヨークはめちゃくちゃダンスしてるけど)。
七曲目の「Give Up The Ghost」は鳥の鳴き声をバックにした、Radioheadらしい美メロが聴ける曲。
ファルセットによるコーラスが物悲しい。
打楽器にもなってるアコギの音を挟み込むようにして、両耳で繰り広げられる様々な音色が綺麗。
そして、八曲目の「Separator」
あまり最後っぽくないなあと聴いていると、後半に入るギターと天に昇っていくようなボーカルに聴き惚れてしまって、このアルバムは幕を閉じます。
曲数も少なく、時間も短い分、統一感のあるアルバムだと思います。
全曲通してですが、トムヨークの声には深いエコーがかかっていて、周りの音に溶け込んでる感じ。
だからか、必然的に変則的なリズムの方に傾聴してしまう気がします。
Radioheadの中の一番に挙げる人は少なそうですが、聴いていて面白いアルバムだと思いますね。
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