追記:加筆修正
『The record』-boygeniusのレビュー及び感想
今回聴いていくのはboygeniusの新作『The record』です。
上の記事でも書いたんですが、Phoebe Bridgersが所属しているバンドなんですよね。Phoebe Bridgersと言えば2020年の『Punisher』が結構評価されたアーティストでして、私も聴いたんですがただただ美しいサウンドに圧倒されて、一聴してすぐに好きになったアルバムなんですよね。
今回のアルバムから先行で出た曲もいい曲ばかりでしたし、凄く楽しみにしていました。
それでは聴いていきましょう♪
全曲感想
※赤太字は一番好きな曲、赤字は好きな曲です。
①Without You Without Them
録音色が強いゴスペル的な楽曲。期待が膨らむ一分ですね。
②$20
先行で出ていた曲ですね。パンク味を感じるシンプルなギターロック曲です。結構シンプルな楽曲ですね。
③Emily I’m Sorry
これも先行で出ていた曲。穏やかで聴いていると癒される楽曲ですね。コーラスも素晴らしいです。ベースが右側から聴こえてくるのが最近の音楽だと珍しい気がします。
④True Blue
これも先行で出ていた曲。広がりのあるような美しい楽曲です。リバーブのかかったギターが耳に残ります。
⑤Cool About It
アコギを基調としたフォーク的な楽曲。シンプルなアルペジオがいいですね。終わりが結構唐突な感じで驚いた。
⑥Not Strong Enough
これも先行で出ていた曲。ギターのアルペジオが綺麗ですし、ボーカルのメロディも心地いいです。聴いていると、空を飛べそうに思える素敵な楽曲だと思います。
⑦Revolution 0
これもアコギが中心となった楽曲なんですが、遠くから聴こえてくるような音が美しいです。これもコーラスが綺麗でうっとりとしてしまいます。後半のストリングスも美しい。
⑧Leonard Cohen
アコギ一本のシンプルな楽曲。短めですね。
⑨Satanist
ちょっと懐かしさを覚えるようなロックソング。シンプルな感じ。
⑩We’re In Love
アコギとピアノの素朴なサウンドがいい曲。ピアノの旋律が美しいですね。低音を響かせるようなボーカルもいいです。
⑪Anti-Curse
遠くから浮かび上がってい来るような音がいいですね。静と動のメリハリがついた楽曲ですね。
⑫Letter To An Old Poet
ピアノの弾き語り的なシンプルな楽曲。ピアノの音にちょっと違和感があるなあ。これもハモリが美しい楽曲。穏やかに終わっていくのがいいですね。
総評
全体的に穏やかで静かな、美しいサウンドが聴けるアルバムだと思いました。
殆どの楽曲で使われているのはアコギやピアノといった有機的な楽器の音で構成され、ごちゃごちゃしているわけではなく、音数少なくシンプルに纏めているような感じで、聴いていて素朴な印象を抱きました。そのため、かなり聴きやすかったです。
また、綺麗なコーラスが結構使われているのも印象的でしたね。
一曲目のWithout You Without Themはいくつかの声だけで構成されている曲で、それだけでも十分に成立するくらいに美しいメロディが聴ける曲です。これが一曲目に設定されていることからも、コーラスやハモリといった要素に力を入れていることが伺えるような気がします。
三曲目のEmily I’m Sorryのかけあうようなコーラスはかなり耳に残りますし、七曲目のRevolution 0のサビのハモリも聴いていて笑顔になってしまうくらいに綺麗です。
あまりこのアルバムではストリングスが使われていない気がしますし(使われているものもありますが)、そういった所から曲に厚みや温もりを加えていったのかなと私は思いました。個人的にはハモリやコーラスは大好きなので大歓迎ですね。
ただ、アルバムを通して感じたのは全体的に曲が地味だなということです。
アコギ一本の曲が何個かあったりして、これはこれで好きなんですが、なんかこうインパクトに欠けるなと私は思いましたね。ですが、ボーカルだったりメロディが美しいのでこちらはまだ聴いていてよかったです。
個人的にん?と思ったのはロック的なギターを使った楽曲ですね。
こういったロック的なエレキギターを使った楽曲がいくつかあるんですが、びっくりするほど印象に残らなかったですね。迫力がなく、曲として弱いなと思いました。私としてはindie rock的な静かな楽曲を増やしてくれた方がいいかなと思いました。
という感じで、Phoebe Bridgersの『Punisher』と比べるとちょっと地味で、感じられる美しさは弱いかなと思うんですが、この素朴な感じもそれはそれでいいかなと思いますね。ただ、ロック的な曲は刺さらなかったです。
是非、聴いてみてください。