『Ys』-Joanna Newsomのレビュー及び感想
今回聴いていくのはJoanna Newsomという方の『Ys』です。
絵画のようなアルバムジャケットが印象的なアルバムなんですが、結構、評価の高いアルバムのようで、ずっと前から聴いてみようと思っていたんですよね。
どのようなアーティストなのかというこんな感じの方のよう↓
ジョアンナ・ニューサム(Joanna Caroline Newsom 1982年1月18日 – )は、アメリカ合衆国ネバダシティ出身のハープ奏者及びシンガーソングライターである。
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と、なんとハープを弾きながら歌うという珍しいスタイルの方。
アコギやピアノで弾き語りをする人は数多くいますが、ハープを弾きながら歌うという方はあんまり聴いたことがありません。というか、そもそも最近の音楽でハープが使われてること自体あまりないような気もします。
どんな音楽なのか楽しみです。
では、聴いていきましょう。
全曲感想
※赤太字は一番好きな曲、赤字は好きな曲。
①Emily
12分にも及ぶ大曲。柔らかなハープとストリングスで静かに始まります。舞踏会を思わせるようなストリングスがいいですね。ハープの音が幻想的で、どんどんと展開していく曲もあわさって、深い森に迷い込んでしまったようなイメージが湧いてきます。美しいハープ等の裏でストリングスが好き勝手やっていて、ちょっとプログレっぽさを感じます。
誰かに似てるなと思っていたんですが、ちょっとだけBjorkっぽいボーカルだなと思いました……ぽくない?
②Monkey & Bear
これまた9分の大曲。使われてる楽器も相まって、演劇を聴いているような心持ちになりますね。ハープの音がただただ美しい。ダーリン~の歌い方が癖になります。しかし、本当にストリングスが好き放題に動き回っていて、存在しないドラムのタム回しの代わりをやってるのかってくらいに後ろで動き回っています。
③Sawdust & Diamonds
10分近くの大曲。始まりの和音が美しい。最初の2曲に合ったストリングスはなく、孤独な雰囲気が曲全体を包み込んでいます。けど、流石にアルペジオ一本は飽きてくるな……
④Only Skin
管楽器も入ってクラシック的な16分にも及ぶ大曲。相変わらず独立して動いているようなストリングスが印象に残る。癖になりますね、この感じ。7分30秒辺りで入ってくるストリングスに思わず背筋がぞくっとしました。13分30秒辺りから男性ボーカルがハモリで加わるんですが、ここからのパートが結構好きですね。バンジョーの音や打楽器も増えて、ちょっと楽しげです。
⑤Cosmia
異国風なハープから始まる7分の曲。短いのもあって、このアルバムの中だと一番わかりやすい曲かなと思います。ずっと続いていくハープのアルペジオ?がただただ美しいです。意外とすっきりした感じで終わっていきます。
総評
聴いた感想としてはかなり難解なアルバムだと思いました。アルバム中で鳴り続けるハープやアコギといった有機的な音はひたすら美しいのですが、バックで動く独特なストリングスがやけに不気味です。ボーカルやメロディラインから独立したように動いているのが印象的で、それがこのアルバムが難しい理由なのではないかと私は思います。プログレッシブフォークというジャンルらしく、フォークにも色々な種類があるのだなと改めて実感しましたね。
歌詞を簡単に訳してみると、一つの童話のようなストーリーになっているようで、「演劇を聴いているかのよう」という感想もあながち間違っていないような気がします。歌詞を見ながら聴くのも面白いかもしれません。
聴いていると現実を忘れさせてくれるような、幻想的なアルバムだと思いました。
是非、聴いてみてください。