「Night Palace」- Mount eerieのレビュー・感想
Mount eerieの新譜を聴きました。アルバムジャケットがいいですね~。
先行曲の段階でも思ったんですが、Mount eerieというよりもThe Microphonesで出てそうな感じの曲が多いと思いました。
本人が二つの名義をどのように分けているのかは知らないんですが、The Microphonesの方は実験的な要素の強いAvant Falkで、Mount eerieの方は癖は強いけどThe Microphonesに比べると聴きやすい素朴なFolk作品も結構あるというのが漠然とした印象です。
あとは、どちらもFolkには馴染まなそうなノイズが含まれていて、どちらかといえばThe Microphonesの方がその要素が強いといった感じでしょうか。
本作の「Night Palace」はそういった意味でThe Microphones……作品を挙げるなら名盤『The Glow, Pt. 2』を想起させるようなAvant-Folk,Slacker・NoiseRockに、EmoやPost Rock、AmbientやDroneをぶち込んだようなカオスな作品に仕上がっています。
26曲を1時間21分で駆け抜ける、創造性が大爆発を起こしたような作品に仕上がっていると思います。
曲数の割に収録時間が短いのは1分程度の曲がいくつかあるためです。
流石にやりすぎというかイマイチだなという曲もあれば、「もっと尺をくれよ」と思うような美しい楽曲もあって、聴いていて面白かったですね。
『The Glow, Pt. 2』と比較すると、滅茶苦茶印象に残るような強い楽曲というのはそこまでない印象です(個人的にI Walkは比肩するレベルの名曲だと思いますが)。
ですが、アルバムタイトルにある夜に聴くと、孤独を癒すというよりも孤独に幸せを見出せるような、美しくも激しさを纏った名盤だと思いましたね。
個人的にはWind & Fog pt. 2やHuge Fireなども好きです。Blurred WorldやI Spoke With A Fishも……あれ、結局全曲いいのでは……?
とにかく、時間を忘れて聴き惚れてしまうような、Folkという垣根を超えた素晴らしい作品だと思いました。
一番好きな楽曲:I Walk