追記:加筆修正
『The Colours of Chloë』-Eberhard Weberのレビュー及び感想
今回聴いていくのはEberhard Weberというアーティストの『The Colours of Chloë』です。
たまたまECM Style Jazzという言葉を見つけ、本作がそのジャンル?に分類されていたので聴いてみる次第です。ECM Style Jazzとはどんなものかというと、こんな感じのものらしいです↓
ECMスタイルジャズは、ドイツのECMレコードがリリースするジャズのスタイルで、独自の音楽性を持っています。ECMスタイルジャズは、繊細で知的なサウンドが特徴で、ニューエイジ・ミュージックの先駆けとも言われています1。ECMレコードは、透明感のあるサウンドと美しいアートワークで知られており、世界中のジャズファンから愛されています2。
1. udiscovermusic.jp2. universal-music.co.jp
要するにECMというレーベルから出てる作品のことを言うっぽいですね。
また、こんな感じの記述も見つけました↓
ECMが掲げてきた“沈黙の次に最も美しい音”というECMのスタイルに、前述のすべての要素は含まれると同意するだろうが、さらにその音が創り上げるムードや引き起こす感情だけではなく、はるかに多くのものをもたらしてくれると主張するであろう。
https://www.udiscovermusic.jp/stories/ecm-records-beginners-guide
沈黙の次に美しい音……なんだかいい響きですね。どんな音楽か楽しみです。
それでは聴いていきましょう♪
全曲感想
※赤太字は一番好きな曲、赤字は好きな曲です。
①More Colours
クラシック的なストリングスの合奏で始まります。あまりジャズって感じはしないんですが、途中から変わったアップライトベースの音色が入ると、ストリングスが止みます。ベースソロの後、ストリングスが戻ってきたかと思えば、美しいピアノの音色が入ってきてはっとしてしまいましたね。不気味なストリングスを駆け回るアヴァンギャルドなピアノの音にうっとりとしてしまいます。しかし、全然ジャズっぽくないな。
②The Colours of Chloë
お、ジャズっぽい曲ですね。手数の多いライドシンバルの音がいいです。アップライトベースの音がかなり大きいせいか、小さいピアノの音が遠くで弾いているように感じられます。ストリングスが加わることで普通のジャズと比べて壮大な感じが出てるのもこれはこれでいいですね。
③An Evening With Vincent Van Ritz
女性ボーカルとストリングスの分厚いサウンドが美しいですね。そこからジャズに移行していくんですが、ここでもアップライトベースがかなり主張しています。サックスもいいです。最後はストリングスパートに戻っていきます。
④No Motion Picture
最後は19分の大曲。最初のベースがかなり乗れるような感じでかっこいい。左と右で繰り返されるエレピ?の音が癖になりますね。やっぱりこの曲もベースが目立っています。そして、やはりピアノの音が素晴らしい。中盤からのピアノだけのパートが美しくて、ピアノだけのアルバムも聴いてみたいくらいですね。そしていきなり入るクワイア。14分30秒辺りから入ってくるパートは万華鏡のような感じで美しい。このパートがもっと欲しかったな。
総評
沈黙の次に美しい音に違わぬ、美音が聴けるアルバムでしたね。
ちょっと変わった構成の曲ばかりで、ジャズっぽいパートよりもジャズっぽくないパートの方が多かったような気がして想像とは違いましたが、全然良かったですね。
あと、変わってるなと思った点はもう一つあって、それはアップライトベースの音が結構大きめに設定されていることですかね。これがECMの特徴なのかは他のアルバムを聴いてみないことにはわからないんですが、かなり主張が激しかったように思います。
ストリングスの音も良かったですが、一番綺麗だなと思ったのはピアノの音ですね。どうやって録音したんだろうと不思議に思うほどに綺麗で思わずうっとりとしてしまいました。
なのに、全体として見るとピアノのパートが少ないのが少し残念でしたね。あと、結構展開が継ぎ接ぎ的で、目を離した瞬間に別の展開になってたりするのがちょっと気になりましたね。流れが途切れるような感じがあって、個人的にはマイナス。
是非、聴いてみてください。