『Five Leaves Left』- Nick Drakeのレビュー及び感想
ちょっとNick Drakeさんのアルバムを三枚聴き直したので、レビュー及び感想記事を書いてみました。
彼の活動時期は1969年辺りで、The BeatlesやKing Krimsonといったアーティストが活躍していた時期なので、かなり昔のアーティストになります。
ニック・ドレイク(Nick Drake、1948年6月19日 – 1974年11月25日)は、ビルマ(現ミャンマー)生まれのイギリス人シンガーソングライター。フォークの分野で活動。生前は商業的成功に恵まれず、3枚のアルバムを残して他界するが、死後に評価が高まった。
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活動当時は中々売れず、患っていたうつ病が悪化し、抗うつ薬の過剰服用でなくなってしまったそうです。生前は評価されず、死後に評価される……言い方があれかもしれませんが、芸術家っぽいですよね。枚数が少ないのも、活動後すぐに亡くなってしまった故ですね。
しかし、残された三枚のアルバムはどれも素晴らしく、もっと色々な作品を発表して欲しかったなというのが正直な所。うつ等を抱えた故に名盤を作れたのかもしれませんけどね……
と、今回聴いていくのはそんなNick Drakeさんの1stアルバムである『Five Leaves Left』です。
それでは聴いていきましょう♪
全曲感想
※赤太字は一番好きな曲、赤字は好きな曲です。
①Time Has Told Me
ドラムのない、アコギを主体とした弾き語り的な楽曲。ニックドレイクの低音ボーカルの響きがいいんですよね~。左右のチャンネルで展開されるピアノとエレキギターもボーカルに寄り添うような感じで素敵です。終始穏やかな雰囲気です。
②River Man
シンプルなアコギを主体とした弾き語り……かと思ったらストリングスが入ってきます。聴いていて、大広間の中心で弦楽器隊に囲まれながら一人アコギを弾き語っている光景が目に浮かびます。ストリングスのメロディがどんどん形を変えていくのがいいですね。
③Three Hours
これまたアコギ主体で、やっと打楽器が入ってきます(といってもコンガ?っぽい奴ですが)。アップライトベースも曲を支えるというよりかは、自由に動き回っているような感じです。アコギの不穏なフレーズが素晴らしいですね。
④Way To Blue
ストリングスを主体としたオーケストラな楽曲。ボーカルがある曲でここまでクラシック的な楽曲ってあまりないような気がします。
⑤Day Is Done
アコギのアルペジオとストリングスのハーモニーが素晴らしい。終始纏いつく暗く悲しい雰囲気がたまりません。劇を見ているような気分になります。
⑥’ Cello Song
チェロソングと名があるが、アコギの方が目立っているような気がします。ですが、かといってチェロの音が必要ないかと言えば絶対にそうではなく、二つのハーモニーが美しいです。最後辺りのチェロの音が美しいです。アナログじゃないとこういった感じは出せないのかもしれませんね。
⑦The Thoughts Of Mary Jane
フルートの音が気持ちいい。すっきりとした朝の青空が思い浮かぶ、綺麗な曲です。こういった情景を想起させるような曲はいいですね。ストリングスもあわさり、うっとりとしてしまいます。
⑧Man In A Shed
アコギが右チャンネルから聴こえる。あまり使われてなかったピアノが入ってくるんですが、この快活な感じのピアノがいい。
⑨Fruit Tree
アコギのアルペジオがただただ美しいんですが、何処か不安を煽るようなフレーズです。ストリングスもそれを助長させるような感じで、曲を包み込む暗い雰囲気がたまらない。管楽器の音もいいです。ボーカルに沿って展開していく音たちが素晴らしいですね
⑩Saturday Sun
ここにきてアコギではなくピアノ弾き語り的な曲。ドラムもアルバム内だと結構目立っている方ですね。コードが面白そうな感じなのでちょっと調べてみたいですね。静かに終わっていき、アルバムは幕を閉じます。
総評
聴いていると穏やかな気持ちになれる素晴らしいフォークアルバムだと思いました。
基本的にアコギの音色が主体となっていて、装飾するストリングスやピアノといった楽器が奏でる音も、全てが美しいです。平和な風景が脳裏に浮かぶような優しい楽曲ばかりで、聴いていると心が安らぎます。ドラムパートが殆どなく、太い低音もないのですが、それが逆にすっきりとした印象を与えていて、すんなりと音が耳に入ってきます。
そしてなにより、Nick Drakeの低音ボーカルが素晴らしい。語り掛けるような優しい声に心が揺さぶられます。技術が特段高いわけではないと思うのですが、声色が好きですね。
是非、聴いてみてください。
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