
【レビュー】「Vanisher, Horizon Scraper」- Quadeca【感想】
滅茶苦茶楽しみにしていたQuadecaの新譜を聴きました。
未だに読み方がわかりませんが、とても好きなアーティストです。クアデカ?
加えて、先行曲がどの楽曲も素晴らしかったんですよね。
特にGODSTAINEDはFrank Oceanをフォークに寄せたような美しい楽曲でとても大好きです。
そんな感じではち切れんばかりの期待を胸に待っていた新譜だったんですが、まさに圧巻の一言でした。
先行曲が比較的すっきりとした音像というか、生音中心のサウンドだったのでそういった内容のアルバムになるのかと思いきや、彼らしいノイズ交じりのコラージュされたサウンドは健在でしたね。
フォーク、ヒップホップ、エレクトロニカ……様々なジャンルを横断しながらも、音の加工の仕方が巧みなのかどの楽曲もカオスながら纏まっています。
もはや、音の暴力です。音で殴られているような感じがあります。
しかし、アコースティックギターやストリングスの柔らかな音の美しさは損なわれていません。
とにかくぶっ飛ばしている本作ですが、9曲目の穏やかなアンビエントI DREAM ABOUT SINKINGを挟んだ10曲目以降の楽曲は開いた口が塞がらなかったですね……いや、ヤバすぎだろと(それまでの楽曲も全部途轍もないですが)。
特にポストロックバンドMARUJAが参加しているアルバム最後の楽曲、CASPERは音の壁が迫ってくるような感じで好きです。
広い世界を音が縦横無尽に駆け抜けていくような、そんな壮大さと自由な感じがあると思います。
そして、12曲目のTHE GREAT BAKUNAWA。
Danny BrownはメインストリームのHip Hopではあまり姿を見ませんが、なんというか……表現が難しいですがこういった作品には絶対にいるという信頼感がありますね。
音だけでなく、映像にも拘りが感じられますし、芸術的な作品だと思います。
前作と比べると若干ボーカルメロディが弱めでしたし、過剰すぎる部分もあるので何度も聴こうとすると疲れる作品ではありますが、圧倒されるばかりのアルバムでした。
間違いなく今年を代表する名盤でしょう。期待を超えてきた作品でしたね。
一番好きな楽曲:GODSTAINED
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