「Ghosts of the Great Highway」- Sun Kil Moonのレビュー及び感想
なにかの動画でおススメされていたCarry Me Ohioという曲が結構好きだったので、その曲が収録されている「Ghosts of the Great Highway」というアルバムを聴きました。
全体的にIndie Rockといった趣で、ノイズ成分が多めのエレキギターとキレのあるアコースティックギターの音色によるざらついたサウンドがとてもいいです。
どの楽曲もゆっくりめかつ構成自体はシンプルで、1曲1曲が長めではあるんですが、かなり聴きやすいアルバムだと思いました。
どの楽曲も私好みな感じなんですが、その中で一番ヤバいというか心を持っていかれたのは14分にも及ぶ8曲目のDuk Koo Kimでしょうか。
曲名がなんか英語っぽくないなと思って調べてみたら金得九という韓国のプロボクサーの名前が出てきました。
歌詞を見てみると「Watchin’ an old fight film last night Ray Mancini and Duk Koo Kim」という部分があります。
簡単に和訳すると「昨夜、レイマンチーニとドゥク・キムが戦っている古い格闘映画を見ていた」という感じですね。
On this 14 minute epic, Mark Kozelek contemplates love, life and death. He knows that you can go anytime and anywhere, like the Korean boxer Duk Koo Kim who died following the 1982 world championship match against Ray Mancini.
(この14分間の大作で、マーク・コゼレックは愛と生と死について考えている。彼は、1982年のレイ・マンチーニとの世界選手権試合後に亡くなった韓国人ボクサー、ドゥク・キムのように、いつでもどこでもいけることを知っている)
Genius
ということらしく、歌詞は生死や愛についてのことらしいです。
そして、それを表現するかのように奏でられるアコースティックギターとエレキギターの柔らかな音色と、それに重なる鉄琴の心地よい音が素晴らしいです。
途中でアコギ一本になるパートがあるんですが、そのアルペジオも美しい。そうして音の瞬きと呼べるようなどんどん折り重なっていくサウンドを聴いていると、夢の中にいるような気がして、そのまま幽体離脱でもできそうな気分になります。
あっという間に過ぎていく14分――この曲に出会えただけでもこのアルバムを聴いて良かったなと思えましたね。
素晴らしい作品だと思います。是非、聴いてみてください。
一番好きな楽曲:Duk Koo Kim
ちなみにSun Kil MoonはMark Kozelekという方のプロジェクトらしいのですが、Red House Paintersの方だったんですね~。似ているとは思ったんですが、知らなかったです。