「不思議」-中森明菜のレビュー及び感想
今回、聴いていったのは中森明菜さんの「不思議」です。
本作を聴いて驚いたのは、ボーカルよりもシンセサウンドに力を入れているということです。
中森明菜さんは1980年代に人気を博したアイドルだというイメージを私は持っています。アイドルなんですから、本人の声やダンスにフォーカスした楽曲作りをし、ボーカルを目立たせるような編曲やミックスがなされているのが普通だと私は思っていました。
が、本作の場合、中森明菜さんのボーカルは煌びやかなシンセサウンドに埋もれているような感じになっています。強くエコーがかかっているのもあり、歌詞を見ないとなんと歌っているのか聴き取れないです。
当時は問題作と騒がれたそうですが、それもわかる作品だなと思いました。中森明菜さんの歌声が好きな人ほど、この作品を受け入れるのは難しかったでしょう。
ですが、個人的にこの周りのゴシックなサウンドと一体化するような感じは好きです。Ethereal Waveにジャンル分けされそうな幻想的なサウンドが美しく、聴いているとうっとりとしてしまいますね。
どの楽曲も様々な別世界を描写しているような雰囲気を持っていて、聴いていて楽しかったです。タイトル通り不思議な作品でした。
「私は歌を聴きたいんだ」という人にはあわない音楽だと思いますが、誰が聴いても綺麗だなと思えるような音楽だと思いましたね。
是非、聴いてみてください。
一番好きな曲:Back Door Night
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