『O Monolith』-Squidのレビュー及び感想
今回、聴いていったのはSquidというバンドの新譜である『O Monolith』です。
前作にあたる『Bright Green Field』が結構高く評価されたらしく、本作に寄せられていた期待はかなりのものだったと予想されますが、私は前作を聴いたことがない以前にSquidというバンドを知らず、たまたまTLで見かけたという理由で本作を聴いてみたので、あまり過度な期待とかはしていませんでした。
で、聴いてみた感想としては、実験的な要素が強くて、聴いていて面白いアルバムだなと思いました。
どんどん印象的な音色やメロディが矢継ぎ早に繰り出されていきますね。今までにあまり聴いたことがないようなサウンドもあったりして、エクスペリメンタルなロックでいいと思います。評価が高いことにも頷けるアルバムに仕上がっていると思いましたね。
ただ、本作を聴いていてこの曲が好きというのはなかったですね。どうしてそうなったのかというと、楽曲の構成に要因があると思います。
通常の楽曲の構成は大体同じような感じで、A→B→サビ→A→B→サビ→C→サビみたいな構成が一般的だと思います。多少の違いはあれど、前述の構成から大きく逸脱することはあまりないように感じます。
で、本作の楽曲の構成はA→B→C→D……みたいな感じでどんどん違うパートが続いていくのが多いように私は感じました。昨今の楽曲においても、途中から楽曲の雰囲気ががらっと変わることはありますが、ここまで繰り返さないのは珍しいように思います。
こういった構成は聴き手を飽きさせないといった利点があるとは思うんですが、個人的には楽曲としての纏まりが失われるような感じがしてあまり好きじゃないんですよね。
本作はそれがダイレクトに響いた感じで、「Aパートは好きだけど、Cパートはあまり好きじゃないな……」と思うことが多かったですね。「あれ、ここで終わるんだ」と、楽曲の終わり方にすっきりしないこともありました。
なので、この曲が好きだから聴くではなくて、このパートが好きだから聴くみたいな聴き方がいいのかなと思いました。私がそういった聴き方に慣れていないだけなのかもしれませんが、ちょっと自分には合わないのかなという感じですね。
ただ、既存の概念に囚われずどんどんやりたいことを詰め込んでいるようにも感じられるので、聴き手の印象によって全然評価は変わるような気がします。
どの楽曲もクオリティが高いので、このまま我が道を突き進んでいって欲しいなと思いましたね。
是非、聴いてみてください。